ペルシャvsセレスト11
人は本気でビビった時は声出ないんだなぁと、ドッキドキしてる心臓が痛み始めたのと同時に思った。
何故か両壁をぶち破ってくるセレスト。
砂煙でよく分からないけど、ピンチなのは分かった!
ペルシャは正面にドアがある状態で、右手側の砂煙は壁をブチ破った時の物で、それに加えて雷が迸っている。
高電圧によって焦げた木片の匂いが鼻につく。
左側は壁の全てがはじけ飛んでいる。どんな力の加え方をしたらそうなるのか不思議でならないけど、セレストの魔法にはそんな物もあるのかと舌打ちが出る。
「あーーー!!なんで部屋ん中が水でいっぱいなんだよ!びしょ濡れじゃねーか」
水は胸元まで溢れているけど、この部屋には何も細工していないから、逃げ口があれば水はそちらへ行く。
ビショ濡れになって顔を覆い尽くす赤い髪をかきあげて文句を言うのはガタイがよすぎる巨漢だった。
その圧はまだ10mは離れているのに押しつぶされそうな程だった。
「ブレット!!」
「んあ?白夜……じゃねーな。ミスったな」
「私はっ!」
「黙ってろ、分かってる!全身から白夜の魔力を感じる」
「……魔力探知出来たのね」
「元の『力』が戻ったからな。俺ァ、強えぞ」
「ええ、頼りにするわ!」