917/987
ペルシャvsセレスト3
はじけ飛んだ水飛沫は雷を纏いて花火のように一瞬の光を幻想的に映し出す。
セレストとペルシャは互いに膠着状態に入る。
思ったこと。速い。
魔法使いで高速戦闘を行える人物は稀だ。
自身の身体能力をあげる魔法を使い続けるか、そういう『起源の魔法』かの2択。
セレストに『起源の魔法』を使えるなんて情報は無いし、『起源の魔法使い』は重々にその魔法のみを使用する傾向がある。
なんて言ったって体の一部みたいなものだから。
「……雷の魔法は自身を雷にでも変化させるの?」
返事なんて帰ってこないことは分かりきってきても、減らず口を叩かずにはいられない。
ドレスの袖が少し焦げている。
少しで済んでいるのは電気伝導率が高い金を纏っていることと、その電流を受け流すことの出来る『無垢の魔石』のお陰だろう。
リーナーが去り際に3つほど寄越してくれたこれは魔法を吸い取るスポンジのような役割を持つ。
つまり、限界はある。
……パチッ