一級の爆弾
「使えば使うほどに消耗します。魔法は有限なのです」
「ずっと使ってきたじゃない」
「それがマズイのですよ。知っていました?元々『裏世界』なんてものはなかったし、『魔物』何てものも存在はしていなかった」
リーナーの言うことを何故かすんなりと受け入れることが出来てしまった。
ペルシャの疑問は最もだとも思う。
「話が大きくなりすぎじゃないかしら」
「そのことは統括会とかは知ってるんですか?」
素朴な疑問だ。魔法でのし上がった権力者と言っても過言では無い彼らは、そんな不都合なことを知っていたのだろうか。
知っていても、知らなくても、統括会に不信感を抱きそうだった。
「……どうでしょう。うちには燈火さんや、ミホさんが……」
そこまで言ってリーナーはハッとする。
青い顔をして奥歯を噛み締める。
「知っていた」
「えっ?」
「知っていたから『消された』んですよ。彼女はら共通して『記憶』を失っている」
「待って、それじゃあ。知ってて放置してるし、知ってる人を消してるって?」
そんなやばい事実を告げられても困ってしまう。
というか、
「なんて事話してくれてるんですか!?一級の爆弾抱えちゃったじゃないですか!?」
「なに、大丈夫でしょう?」
「な、なんで?なに、その信頼」
「だって、ティアの娘、なんでしょう?彼女なら問い詰めるくらいしますよ?」
「そんなこと……」
そんなこと出来るわけないと言いたかったけれど、もし、聞かされたらどう出るか。
戦力総動員して総力戦を挑む覚悟で賢者に詰め寄るのを想像出来てしまった。
そして、ママはやるだろう。
絶対に聞かせられない話だった。
「脱線しましたね」