907/984
影
長い廊下を右に曲がった。
それを見てコソコソと追いかける。
曲がったところでペルシャが何かにぶつかってよろけた。
その急な動きに後ろから着いて行っていた私は対応しきれずにペルシャを抱えるようにして尻もちを着いてしまう。
「イテテ、ペルシャ、どうしたの?」
ペルシャを起こしながらそう言って、ペルシャと立ち上がった時に初めて誰か居ることに気がついた。
「なんでティアさんがここに居るんだ……!」
追いかけていた人物、リーナーさんは驚きと焦りを混ぜた表情をしていた。
舌打ちをして私とペルシャを一瞥し後に「着いてきてください、早くっ」と急かされ訳も分からないまま今度はリーナーについて行く。