行動開始
「ああ、そう。でしょうね。さっ行くわよ」
「えええっ!そんだけですか!?ほら、何かもっとこう!ありませんか!?」
こうもあっさりと流されては私の気持ちに対する覚悟とか、打ち明ける勇気とか、固く握りしめた拳とか。
全部虚しくなるんですけど!
ペルシャは私の顔を見もせずにガチャリと部屋から出てってしまう。
慌てて追いかけて文句を言う。
背中越しだし、もはや私なんて眼中になさそうですけど。
「もう、酷いです!」
「ティアにあった事があるって言ったわよね」
ペルシャが振り返ります。
「ティアはまだ子供だったし、相手もいなそうよ?なのに子供なんて
非現実的な何かに決まってるじゃない。貴女がティアの娘だって言った時から薄々気付いていたわ」
「そう、なんですね。……取り越し苦労でした」
ホムンクルスという存在は、人の道から外れた存在で、そう言った存在は忌避される傾向がある。
それは歴史が示してきた。
なんせホムンクルス大戦と言うのがまだ創世術士達が表立って世界をコントロールしていた時にあったとされているから。
「なんで少し拗ねてるのよ」
「ドラマチックに憧れてただけです」
「フッ、なによそれ。……気を引き締めてちょうだい。こっからは敵の内部なんだから」
そうでした。
ラプラスを探しつつ、消えたリーナーさんの跡を追いつつ、撤退まで行うというのは至難の業になりつつあります。
ブレット達と合流しないと行けませんけど、それも目処が立ちません。
ペルシャの言う通りです。戦闘経験は乏しいし、使える魔法も多くは無い。だからこそ油断をしないようにしないと。
「……行きましょう。欲を言えばソフィーさんの能力が欲しい……」
「星読みね。なにものねだりはしない!行くわよ!」
「はーい」