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ホムンクルス
「月の化け物。この魔法界に置いて異端も異端。異形の魔法使い」
「ホムンクルスなんですか」
ペルシャが言うに、有名な人物なんだろうか。
私にはそう言った一般教養がまだまだ欠如しているから危険度が分かりにくい。
そしてもう1つ気になったことがある。
異形であって、魔法使い。
人間の定義から離れているのは見た目。
私は生まれ。
どちらも人間にはなり得ない。私と月の化け物が一緒かそうでないかは気になった。
「さぁ」
帰ってきた言葉に落胆してしまう。するとペルシャはムッとなって言い募る。
「そもそもが魔法界のタブーみたいな連中よ?詳しく知るわけないじゃない」
「…………」
やはりと言うか、月の化け物は一般常識の範疇なのか。
私が押し黙ったのは、私自身の出自を話すか迷った訳だが、どう勘違いしたか、ペルシャはオロオロしはじめる。
「私は………ホムンクルスです」