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博愛の金刺繍のドレス
「そ、それよりもっ!……袖のコレは?」
ペルシャが気恥ずかしさを誤魔化すように目に付いたものに対して質問をする。
もう少し褒め倒したかったなと思うけれど、これ以上はパンチが飛んできそうだったので質問に乗っかることにする。
【博愛の金刺繍のドレス】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
人が特定の人を思って作り上げたドレス。
慎ましく、それでいて静かに美しさを体現した様なドレスは着る人を選び、着こなすことができる人には加護が与えられる。
一説には愛情の籠った血液が混ぜられているとも?
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袖の部分には拳大の丸が空いている。
単なるオシャレでは無いだろうことは予想が着く。
なにせ作った私がそんなことを考えている余裕はなかったので。
「恐らく加工した魔石とかを嵌められるようになってるんだと思うな」
「本当に?なんで確信してないのよ。作った本人でしょう?」
「だって、そんな機能知らないもん」
「もん、じゃないわよ。……試すにも魔石がないからなあ」