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創成術
「私一人では無理ですっ!」
「……元気よく言わないでよ」
「まって!待ってください!私と、貴女。二人でやるんです」
ママはいつもどうしてる。彼女はミルクショコラという眷族と共に錬金術を行ってきてた。
私はそれを見てきた。
ペルシャを眷族代わりでは無いですけど、その役割をやってもらえば。
「なるほどね、で、どうやって?」
「どうやって?」
「うん。どーすんの」
「今から考えますっ!」
「はぁ、まず前提として液体、素材。この2つがあれば最悪出来る」
「釜はどうしましょうか」
「魔力の器を作って代用しましょう」
そう言ってペルシャは杖を出し、長年使ってきたであろう錬金釜を脳内でイメージ、トレース、顕現。
まるで見えないけれど、確実にそこに在る。
きっと錬金術士だけにしか感じられない「透明な錬金釜」を生み出した。
それは、それに気付いた私は言ってしまった。
「創成術……だ」