錬金術士ペルシャ
「そう………」
なんで来たと言う割には、ガッカリした言い方だ。
歪んだ表情で絞り出すように言う。
「貴女のお母さんだったら良かったのに」
諦めたような言い方。
この言い方には流石にムッとする。
言い返す前に少し考える。
髪はボサボサだし、服も劣化してる。
明らかに正常じゃない。
この人は居たくてここにいる訳じゃない。
「あなた、名前は」
「言う意味はある?ここで死ぬのに」
「し、死ぬ!?死んじゃうんですか!?」
崩れ落ちるように床に寝転び、投げ捨てるように言う。
私が驚き、大きな声を出そうとも、うるさそうな顔をするだけ。
「なんでなんですか?貴女が私を殺す……って訳じゃなさそうですけど」
「……この部屋はパスカルの部屋。効果は生物が死ぬまでこの世から隔離するというもの」
「なっ!……ん?そんな凄いものは錬金術では?」
時空を隔離するなんて、まるでミルクショコラのよう。
完全に無から生まれた特異点の類では無いのなら、やりそうがあるように思えてきました。
「……そうね」
そして、目の前の彼女が上半身だけ起き上がり、ダルそうに肯定します。
「なら、何とかなりますね!」
「なんですって?これはっ」
そうとなれば解決の糸口が見えました。それを伝えれば何故が怒ったような言い方をする。
だから、言い終わらないうちに言って聞かせます。
「フフン、誰の娘だと言いましたか?」
唖然とした表情の後、
「フッ、ペルシャよ」
彼女は名乗りました。
「錬金術士ペルシャ」