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守られてやる
ゴーレムは自身に突き刺さった斧を弾いてまたも姿を消した。
消えた訳では無いだろう。
「こういう時、私は何もできませんね」
「適材適所だ」
落ち込む私にブレットは乱暴にアタマを押さえつけてそう言います。
もしかして、慰めてくれたのかな。
「……長い!いや、長いよ!なにずっと撫でてるの!?ほら、もうボッサボサじゃん!」
「ハハハッ!いい女に見えるぞ」
「セクハラです!」
軽口を叩くブレットとスプラウトさんに怒ってみせるも、2人は顔を笑っていても目で常に全方向警戒していた。
そんな顔を見せられたら膨れはするけれど、何も言えなくなってしまう。
せっせと髪を整えながら戦局を見守ることにする。
大人しく守られてやる。