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何度でも行くよ黄金郷
「おっしゃ、行くぞ!」
「はいっ!」
「行くのはいいが、当ては?どうせ黙って行ったろ、アイツ」
ブレットが一同を見渡して号令をかける。私は頷いた。
ブレットのその行動は見覚えがあって、ママがよくやることだった。
熱量が高まってきた所に水を差す声。
ムッ〜と膨れっ面でマジマジと視線を送ると、ため息で返された。
顔に「これだからガキは」と書かれている。心外だ。
「黄金郷にもう一度行く」
「……黄金郷」
「おや、グロリアス殿はいい思い入れでもあるのですかなぁ?」
「お前はティア以外に喧嘩を売らないと死ぬのか?」
ブレットの言う目的地には私も思うところはある。
グロリアスはそれ以上だろう。元教え子と再開した場所で、消えた場所。
神父は知らん。