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白夜の覚悟の確定
今、自分は問われた。
それは何に対するものか。
錬金術士である事にか。
錬金術士が作った道具の影響力か。
ティア・愛音・シャドールの娘……分身としてか。
「白夜、迷う時間は無い。お前は今、命運の最前線にいることを自覚しろ」
「そんな……ううん。大丈夫だよ」
言葉に出したら不思議と本当になった気がする。
背負ってやろう。ママの100分の1でも。
上記の全てのことを背負うことを覚悟として。
「大丈夫だよ、私はやれるんだよ」
「えらい自信家だな」
顔の怖い人、ストラウトさんはそう言いつつもどこか嬉しそうに笑うのだった。
それに頭を抱えるブレット。
この師弟にしか分からないことがあるんだろうと思う。
それは羨ましいと思う。
いつか誰かと私は絆を結べるだろうか。
ママとクレアさんのように。
きっとそれは心の支えだろうから。
私はそれを欲する。その為にも今は全力でこの人たちに食らいつこう。