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娘よ
「手伝ってくれ。それだけ書かれてますね」
ママは困った様に言います。それもそうでしょう。
今は黒霧をどうにかしなくては行けなくなってしまったので。
本来の目的が『師匠』探しなのに。
こんなことなんてほっとけばいいのに。
ママは錬金術士として芽が出初めてたどころか既存の常識が塗り替えられていくほどの人物となっている。
正直ほっといて欲しい。
私のママは便利な道具では無い。
しかし人が良いのか、どんどん人は集まるし、本人の意思からズレた善意が暴走してるきらいがあるし。
黒霧の魔力部分の擬人化も来るし!
まあ、そういう星の元に産まれたんだと言う事にしてるけどさ。
ママは2人いない。
けど、
「なら、そっちは私が行くよ。ミラクルと」
「儂もか!?」
「その2人も」
「え……」
「…………」
「そう、じゃあ。よろしく頼むわよ。私の娘よ」