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日ノ本梅
「はぁ、まあ、いいわ」
日ノ本梅が日本刀を抜刀して言う。
結構な刀身の長さに距離を置かれて不服そうにした。
「お前たちが無理やり連れてきたのに」
そう文句のひとつも言いたくなった。
ムカつくことが多いから、調子乗ってるみたいな青の魔法使いの水球は切っておいた。
青の魔法使いは驚くどころか、ニヤリと気持ち悪い笑みを浮かべたけれど。
相性悪いと思うんだよね。
早く帰りたいその一心だった。
「で、どこを切ればいいの」
「あの暖炉よ」
「…………どこ」
部屋が霜で埋まってしまって何が何だか分からなくなっている。それどころか、
「部屋圧迫してきてない!?」
「わぁ、すごい道具だったんだー」
「他人事じゃない!」