また、闇の中に戻される
「見て!またドラゴンが!!」
マリーさんがノアさんの後方の空を指さして言います。
花畑に死を運ぶ霧と、白と黒のドラゴン。
まるで絵本の表紙。
「あれって、ティアさんじゃないですか?」
ティアさんはたしかあんな感じのドラゴンを2匹持っていたはずですし。
言われてみればと、錬金術師達は落ち着きました。
依然、脅威は去っていませんが。
「主力じゃないのか?」
「想定外かな」
ドラゴンから降りて駆け寄ってくるティアさん達に白銀さんと咲さんは都合の悪そうな顔。
「大丈夫でしたか!?怪我は?」
「見たところ大丈夫そうじゃない。それよりも、この花畑はなに?また創世術士?」
突風と共にクレアさんが歩いてきました。
警戒心をありありと露わにして居ます。
さりげなく錬金術師達を自分の後ろになるように立ち位置を変えて。
『……だいたい揃った』
黒霧のノアさんが口も開かず声を風に乗せて話し始めます。
「……ノアさんじゃないね」
「あの屋敷で一体何が起きてるのよ」
「おい、黒霧の館はどうしたんだ!」
「他のメンバーが行ってますよ。すぐに戻りたいですけど」
『……世界には呪いがある』
再び黒霧が津波のように押し寄せてきて、私達は飲まれてしまった。
また、闇の中に戻される