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奇跡
花畑が広がった。
無人で朽ちかけていた建物も飲み込んでしまったけれど、街の様子は様変わりだった。
「綺麗……」
私はその花畑の中に立っていた。
足元も全て花や植物が敷き詰められていた。
一瞬にしてドス黒いモヤは消えて澄んだ空気と甘い香りがした。
「マジですか……」
「訳わかんないよ」
ただ、それだけで終わることもなかった。
「あっ、植物が枯れてる!」
青々としていた花達が茶色となって朽ちていく。
黒霧は完全に霧散して無かった!
異様な光景。
花畑に降臨するはハッキリと分かった。
「なんで、ノアさんが!?」