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黒に映える花
花を咲かせた。
木々は特定の植物のそれではなかった。
色んな品種が合わさったようなそんな見た目だった。
木目調が剥き出しになっていたり、デコボコしたり、色が白だったりと、ぐちゃぐちゃになったものを無理やり1つにしているような、そんな木々。
それらが地を這っていき、牡丹や百合やらカラフルな世界を作っていく。
奇しくも、真っ暗な黒霧に栄える。
花が触れると、その場所は霧が晴れる。
「なんて綺麗……」
「これが魔法?」
「…………越えられないものを見てる気がする」
三者三葉、思う事はあり、違うものだった。