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黒霧
黒霧の少女はゆらゆらと揺れて、辺り一面が黒に染まる。
地面は黒霧に覆われる。
蘆屋道隆は足を取られて動けなくなる。しかし、動揺は見られない。
そんなものか、そういった余裕すら見せている。
「主!流石にボサっとし過ぎ!!」
「……別になんでもないだろう?」
「生命エネルギーが化け物だからわかんないのかなー?魔力を吸われてんだよ!」
「お、マジか。気付かなかったな……あれは不味い」
ペラペラとおしゃべりしている余裕はなくなったようだ。
黒霧は少女のシルエットを増やし、蘆屋道隆の魔力を奪ったことで、巨大な蛇と熊も複数体生み出していた。