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変革期
「えっと、陰陽師の方と半神の方?よ?」
誰と言われても、私も誰かわからないのだからそのまま言うしか無かった。
時代の変革期に立っている気がする。
私が生まれた時は魔法は絵本の中の世界で、ある日突如として現れた巨大な大木は魔法を顕にした。
繁盛していた喫茶店は見る影もなく、ただ今は不思議な人達だけがいる。
「……半神」
「待って!見覚えがある!」
二人共が咲さんに釘付けになっている。
きっと頭の中の記憶を必死にかけ分けている。
そして、その甲斐あってか記憶を掘り出すことに成功したらしいトーワリスさんが共学に震える指を先さんに向ける。
人に指さすのは駄目よ。人か分からないけれど。