起源の魔法
表世界喫茶店兼アトリエにて、淀んだ外の空気とは一変して澄んだ室内の中で冬華は悩んでいた。
この、いかにも只者ではありませんと言う空気感を出している2人に。
「初めまして、私は咲と申します。半神です」
「白銀だ。十師族……陰陽師だ」
とんでもない事を言われているんでしょうけど、ティアさんと出会ってしまったばかりにすんなりと受け入れることが出来てしまった。
その様子に少しの驚きを見せたのは咲さんだった。
「あの、リアクション薄いわね」
なんか逆に心配された。
「ああ、錬金術を見た後なので、そーゆうのもいるよねって心境と言いますか……」
それ以前に世界は魔法が支配し始めているわけで、想像上のものは全部実在しているというざっくばらんとした確信めいたものが自分の中に存在し始めていた。
「それで、御高名そうなお二方がどうしてここへ?ただの喫茶店ですけど……」
当店自慢の珈琲は既に飲み干されている。
嬉しかった。けど、それ以上のインパクトというか、が強すぎてそれどころじゃない。
「結論から言えば、貴方に死なれては困るから保護しにきた」
「私?ティアさんみたいな特別な人じゃないですよ」
そう言い返すと、咲さんと白銀さんが互いに顔を見合せて、信じられないみたいな顔をする。
せめて、言葉でのリアクションが欲しい。
「貴女、気付いてないの?」
「な、何にでしょうか……」
「貴女の持つ『起源の魔法』に」