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コンビネーション
「あ」
その言葉は誰が発したものか。
完全に制圧できた、そう確信を持っていたのは全員同じだったみたいで理解するのに戸惑った。
咄嗟に動いたのは賢者で、ミホさんにも劣らない水魔法を使用する。
「檻?」
水でできた檻は黒霧を覆う。
「そんなの抜け出されちゃいますよ!」
「……はっ、ボサっとしない!ティア全て凍らせるわ!」
クレアちゃんが何かに気付いた様で私に発破をかけます。何がなにやらですが、言われるとおりに。
「えっと、凍らす?何があったっけ」
「『氷の鈴蘭』でいいでしょう!」
「えっ、ああ!はいっ!」
ポイッと投げますけどかなり距離あることに投げてから気付いた。
不味い、ここで失敗は全滅の可能性を産んでしまう。
「ナイスよ」
クレアちゃんはウインクをして私に向き直ってかなり小さい『風の手』で『氷の鈴蘭』を掴み、水の檻へぶつけます。