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乃愛
「お前たちが黙って追っていた黒霧の件じゃが」
「ちょっと待ってください!なんでそれを知ってるんですか」
「儂を誰だと思っとる」
「……ごもっとも」
「オホン、黙認し続けるのが無理になった」
「そうですか」
「食い下がると思ったが」
「またあの男、トーマスが私たちの前現れました」
「あやつの目的はなんなんだ」
「……私では手に負えませんでした」
「なんと、ティアマトを持ってきても無理なのか」
「……はい。私には使いこなせません」
「まあ、時間はかかろう。励みなさい」
「ティアよ」
「はい」
「黒霧は日本で実害が出ている。死者もな」
「乃愛っ!」