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わたしは
これ以上本当であっても嘘であっても聞いていたくない!苦しいくて、寒くて心臓が軋む。
「実験は成功したんだ。なんの実験かは……」
トーマスは私を指さす。正確には私の周りを。
「人工的な起源の魔法を生み出すことさ!これが可能ならば世界をもひっくり返す軍隊も出来よう!……しかし、欠点があった」
興奮した様子で悦に浸り語るも、最後は眉間に皺を寄せた。
トーマスは実験室を歩き回りながら言い、正面の円柱のガラスまで行くとコツンと軽く叩く。
「1つは成功率の低さ。このクローンはほんの一部さ。大量の破棄がでる。割に合わない」
トーマスは大きなパネルを操作し始める。
そして、映し出された映像は私の精神を崩壊させるには十分だった。