下準備
「魔除のルーンを使う。手を」
フォールスは腰の袋から手のひらサイズの石を取り出して全員に渡します。
石に見慣れない文字?絵?が書かれていて淡く光っています。
「これは?」
「魔除のルーン、限界はあるが悪意に対して護りの加護を受ける物だ。ポッケにでも閉まっておいてくれ」
「ルーンなんて古風な魔法使えるのね……。私にも……」
クレアちゃんは受け取った石を見てボソボソと何かを呟いています。
フォールスは説明しつつ、別の魔術を展開するが、魔術が砕け散る。それに眉根を顰た。
「捜索の魔術が打ち消された。ここは…」
「ああ、明らかに人為的だな。厄介だ、本気で行くぞ」
空の言葉にフォールスは頷き、杖を顕現する。
「帰りたい」
梅ちゃんの言葉は初めからなかったかなように誰も反応せず、肩を落として落胆しています。
正直ここまでやる気が無いと不安ですね。死なないかが。
「我が心の刃とし、姿を変えよ」
フォールスの杖はロングソードに形を変える。
それぞれが武装を固めます。
私は申し訳程度の魔法使いって使えませんが、杖を顕現して、ミルクショコラを召喚し身を固めます。
視線を上げれば、禍々しい建物の数々。虱潰しで更なる手がかりを掴まなければならない。多分時間もそうないだろう。
『アアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!』
嫌な悲鳴だ。
「慎重に行こう。空とソフィーはバックアップだ」
「なら、私と日ノ本と燈火はサブアタッカーかしらね」
「………それでいこう」
「うふふ、私達は後方待機ですね」
「おっかないッスね〜」
「私もその時まで後方待機がいいんだけど……」