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アンバビレント
後を追いかけるように館に入る。
ノアは「なーんか、違う?」と首を傾げる。
フォールスが聞き返す。ありありと警戒している。
「いや、言葉に出来ないんだけど違和感が」
曖昧な言いように、梅ちゃんが心底嫌そうな顔をする。
「ティア、あんたを恨むからね」
「なんでですか!」
「当たり前でしょ!こんないきなりラスボスがノコノコ出てくるような場所で!原因の?コイツが違和感感じてんでしょ!?」
「ふむ、甘いですね」
文句垂れに対しては、甘いとしか言えないですね。
「こっちにはソフィーさんが居ますよ!」
「期待がめちゃくちゃに重い……」
「……期待されてよかったじゃない」
「な、なんで少し不機嫌なですか」
「不機嫌じゃない!!」
「えぇ……」