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クソッタレ
「すまない」
立ち尽くすように、力無くそう言うのはリーナーだった。
バフォーム邸にて、居なくなったはずのリーナーが戻ったと思いきや開口一番がそれだった。
「……はぁ」
ブレットは大きなため息を吐く。
「お前の抱えてるものが軽いものじゃないと分かってはずなんだけどな」
「……過去は消えないですね。未来をも蝕むようです」
「抗えよ」
「無理でした」
「抗えよ!!」
諦めた様な面で淡々と。その顔に声に、リーナーが背負わされた運命に腹が立った。
「……何をした」
「また、ある場所に、ある人を……」
「No.は何が目的なんだ」
「さぁ。末端は知りえませんよ」
「クソッタレがっ!!」