798/985
過去の部屋
「この研究さえ上手く行けば……」
暗がりの中でディスプレイの光だけが光る。
部屋は円柱の強化ガラスで出来た筒が左右に何本かあった。
その中には何かしらの溶液で満たされている。
「そうです、上手く行きそうですか?」
男の肩を掴みながら言うその言葉はとても恐ろしく聞こえる。
月の化物。
頭部が三日月の形をした人の形をした何かしら。
「可愛い、可愛い娘さんはいい素材になる。ご理解は?」
「くっ!分かってる!で、でもそれは最後だと言ったはずだ!」
「そう怒らないでください。上手くいく物も行かなくなりますよ」
月の化物はテーブルに何かを置いた。
片手で持てる位の長方形のデバイス。
「これは」
「分かるでしょう?」
「…………」