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そこで目にしたものは
青空の中に雨雲の様な霧がある。それは姿を一定に保つこと無く時々低空飛行してくる。
それも一瞬の事で、どの魔法使いも対処はできてない。
「長くても10分よ」
クレアちゃんがそう言った。
梅ちゃんは、「一撃で決めるわ」そう言って刀身に魔力を貯めていく。
「風よ、精霊よ。……ティアマト、応えて」
『勿論』
クレアちゃんが両手を空に掲げる。
恵みの雨を受け止めるように。
されど、やることは真逆。
「いくわよ!!」
「準備できてる!」
お互いに言い合って、淡い緑のティアマトの風の手が梅ちゃんを掬う様に持ち上げる。
急激な上昇負荷に目眩を覚える梅ちゃんは奥歯を噛みして堪える。
正面に対峙するは黒霧。
そこで目にしたものは、