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詰みだ
「ああ、居た。もう、大変なんだから逃げないで」
「青色……」
目の前の空間がグニョンと捻じ曲がったと思ったら、欠番だった青色の魔法使いがずっと居たかのように、この場に溶け込んで現れた。
「ミホさんも来たんですね。ティアさんに呼ばれました?」
「いやっ、そーいうのじゃないんだけど、不味いことになってて。私達でも太刀打ちできないんだよね」
そういって私を見る。正確には私の刀を。
「実態がないの?」
「お、キョーミある感じっすか!?」
「ないよ。でも、逃げるのは無理だと思ったの」
どこに逃げても見つけてくるソフィーの星読みと、どんな場所でも移動してくる起源の魔法。
組み合わさったら行けない2人が、わたしを捉えようとしているのだ。詰みだ。