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渦は大きくなるもの
「巻けた、かな。ふぅ……」
一旦別の裏世界に移動してきたけど、LIVEはアイツらが居座ってる可能性もあるから行けないな。
まあ、あの子達はいっつもトラブルの渦中に居て、まるで物語の主人公みたいだなと思う。
それはいい。ただ、巻き込まないで欲しいものだ。
私個人の使命は陰陽局の解体によって有耶無耶になって、所属先は完全に統括会になった。
陰陽術は珍しいのか、たまに授業をさせられるけど、まあまあ、忙しく充実してるかなと思った矢先にこれだ。
「はぁ、最悪」
「こんにちは、何が最悪なんですか?」
木にもたれかかって、下を向いていたら上から声がしてビクッと反応してしまう。
油断したとはいえ気付かなかった。
そうじゃない、
「どうして、居るのよ。ソフィー……だったかしら?」