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視点
私は言う。
「あそこは何も無いんです」
「ん?なら何でだ」
「その他全てかなり高レベルな調合によって作られてるのにここだけ、何も無い。まるで」
「なるほどね。隠してるみたいだわ」
「そうです」
クレアちゃんが言う。
「微かに風の流れがあるわ。普通の風じゃない、ね」
ティアマトと仲を深めたお陰か、鋭敏になったクレアちゃんの魔力感知はその風に邪悪さを感じ取る。
「作られた風、まるでティアマトで結界を作ってた時みたいに」
「統括会の魔法使いたちの中でも色じゃないと開示されない禁術なのよ?まさか」
「情報が漏れたか、独自で魔法を完成させたか。どちらにしろ、その末路がコレなんだろう」
「ちょい、コレ言うなし」