782/985
クレアは私の半身
話し合いは済んだ。
あとは時間をかけて理解し合えばいい。
譲れないなら譲歩しあって落とし所を見つければいい。
それよりも、ティアが吹っ飛んでいって事が心配だった。駆け寄ると殺気を感じて、全身を包むように風の盾を作り出す。
全方位から剣は飛んでくるわ、風の盾を突き破って顔の直前まで剣先を突きつけられるわで油断も隙もない。
フォールスが見た事ない表情で剣を受け止めてくれていたけど、間に合わなかったら色んな意味でやばかった。
「何すんの!」
「それはこちらのセリフだスパイめ!」
「はぁ!?」
「ティア様を吹き飛ばしたろう!」
「うっ……そのティアは怪我でもしたかしら?」
「いいえ、してませんよ。私の不注意でしたねぇ。ミルクショコラ。消せ」
2頭のドラゴンはティアの感情と同期したかの様に怒りの金切り声を咆哮する。
地震が起きたみたいに大地が揺れ、窓ガラスは割れ、置物は倒壊していく。
「ひぃっ!!お許しを!私は、わたしめはただ貴方様の身を案じての事!」
「……今回はクレアちゃんに怪我が無かったので許しましょう。覚えておけ、クレアは私の半身だと」