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なんと狂犬
「え?」
誰の口から出たのか定かではありませんが、まぁ、全員が同じことを思っていたでしょう。
私の前に拝み倒す勢いで頭を下げ、何かをまくしたてています。早口過ぎて聞き取れないです。
「えっと、あの。落ち着いて貰えますか」
「はっ!!」
「うわっ!怖!コイツもだけど、ティアも怖い!」
「く、クレアちゃん!?」
なにやら、この訳の分からない狂人と一緒にされ多様な気がします。
「貴様ァ、錬金術士様を愚弄する気かァ!!」
神父は一転、拳を振り上げてクレアちゃんに殴りかかろうとするので、慌てて止めに入ります。
「や、やめなさい!」
そういえば、ピターッと動きを停めます。
私が言わなかったらそのままクレアちゃんのお腹に風穴を開けかねませんでした。
なんと狂犬。