連携
「ソフィー、光を!」
ガキン、ガキンと鈍い音が弾ける。
その音で1番先に冷静になった燈火さんがソフィーさんに叫ぶ。
「は、はいっ!『一時の奇跡を、灯火を、光を』!!」
カッと光る天井近くまで浮かぶ、光の玉のおかげで薄暗かった空間は明らかになる。
神父っぽい人はフォールスに引けを取らない剣戟を見せる。
サシなら決着がつかなそう。
実力は拮抗していそうだ。
「ど、どうしましょうか!?」
「そんなの決まってます、逃げます!」
ソフィーさんが一人一人の顔を高速で見比べてそう言いますが、私達は確実に足でまとい。
戦闘向きでは無いので、確かなさっきを持ってる相手と長いすべきじゃない。
「くそっ!なんであいつがいんだよ!!」
空は憎々しげに舌打ちをして、札を取りだします。
火花が散る二人の間を縫って札が飛んでいきます。
「空、どうにかなりますか!?」
「する!」
「ソフィーさん!」
「見えないッ!」
「フォールス、そのまま!信じて!」
燈火さんが空間ごと埋め尽くす炎を放ちます。
フォールスさんは燈火さんの言葉を信じ、神父を鍔迫り合いで動けなくする。
炎に包まる視界、真っ赤な世界はしかし、部屋を焼くことなくしばらく留まります。
炎から、飛び出してきたフォールスは服をはたいて余裕そう。
「……燃えない、びっくりした。死ぬかと……」
死ぬほどビックリしていましたね……。