766/987
神父
奥へ奥へと進んでいくにつれてフォールスはなにか別物に感じるほどに魔力を練っていた。
「あ、あの。フォールスさん?どうしてそこまで」
臨戦態勢なのですか、そう続くはずだった言葉は霧散し、代わりに答えが提示される。
薄暗がりの中、ソフィーさんが慌てたように光魔法を宙に浮かべます。
広いエントランスの様な場所。
大理石のタイルは所々ひび割れている。
何より異質なのは神父が居ること。
何かをしていたようで、こっちに気づくのが遅れてゆっくりと振り返る。
「魔法使い……。何故いるのですか、何故迂闊に魔法を使ったァ!!女ァ!!貴様だ!!」
何かが気に食わなかったのか、癇癪を犯した子供みたいに喚く。
その狂気と勢いに魔法を使っていたソフィーさんの集中が切れて暗闇が訪れる。
と、同時に金属音が響いた。
強い衝撃と、その余波を感じて尻もちを着く。
「何が……」
起きったて言うんですか!