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○○させたんですね、錬金術が
「アトリエ……ここが……」
私の、正確には師匠のですけど、のアトリエと比べた時に工房感はありません。
家そのものも全てをアトリエとしているのでしょうか。
錬金術を行うのにそんなに仰々しくする必要は全くない。ならば、なぜ?
「なぁ、ティアって錬金術士として歴が浅く知識も偏ってるよな」
「な、なんですか!いいじゃないですか!」
「そうじゃなくて、錬金術の歴史を知ってるのかと思ってな」
「歴史?」
「不思議に思わなかったか?」
「な、何をですか」
空のなにか知っては行けないことを、それでも触れなければならないことを言う雰囲気に、内心気付いていたことと、目を逸らしていたことが合致しそうで、とぼけた。
何となくずっと引っかかってる事はあったし、それに腑に落ちる経験もありました。
なぜ、こんなにも万能感があってほかの魔法とは一線を画す『錬金術』を下手に見るのか。
嫌煙するのか。
「分かってるだろ。いや、気付いてるな?」
「……」
「ちょっと!なにも今じゃなくてもいいでしょ!」
「いえ、クレアちゃん。ありがとう。破滅させたんですね。錬金術は」