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黒霧の館
ここが黒霧の少女のお家。随分といい雰囲気のとこですね。人でも死んでるんじゃないかと思う程に。
人がいつかなくなっただけではこうはならないだろうと、草木は長い年月の果てに枯れたように見えますし、鉄柵なんかも錆つき、手で触れただけで崩れてしまいそう。
「警戒態勢を……」
フォールスが先導し、静止させ、屋敷を睨みつける。
禍々しいとは思いますけど、危険があるとは思えない。
だって、すごし豪華な家。ただそれだけに見えます。
しかし、私のレベルが低いのでしょう。
ここにいる、フォールス、空、燈火さん、クレアちゃん、ソフィーさんは各々少し違いますが身構えています。
「あの、ひょっとしてここって所謂、ヤバい、ですか?」
クレアちゃんが振り返ってなんだコイツって目を向けてきます。
ソフィーさんですら「……うそ」と呟き哀れみの目を向けてきます。