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負い目
「新しいアトリエの件は分かったわ」
もぐもぐと小さな口を動かしながらクレアちゃんが言います。
サンドイッチをちまちまと食べる様子は小動物ぜんとしていてとても可愛いです。
スっとクレアちゃんの後ろに移動して頭を撫でるのは必然と言えます。
「私の以来はアンタの『起源の魔法』に対して役立つかも。けど、まぁ最後でいいわね」
「良いんですか?姉弟子なんですよね」
「姉弟子だからいいのよ。別に師匠に言われた訳でもないしね」
「私個人的には早い方が……。いえ、でも黒霧は放っては置けませんよね」
「では、マリー以外の子は帰りなさい」
「……っ!待ってくださいよ!また、ここでもないがしろにされるんですか!?」
「なら、あなた達は黒霧に対抗出来る?逃げ切れる?その術は?」
「……」
「悔しいのは分かるけど、あなた達を失う訳には行かないのよ。分かってちょうだい」
「わかったよ……」
「マリーさん、ここで負い目を感じることは無いですよ。言ったでしょう。貴女が今は1番優れてる。任せられる。それだけよ」