包丁指差し確認
「あの、昨日はろくに皆さんに挨拶もできずにすみません」
「いえ、謝らないで。ティアさんがすごく慕われてるっていうのもそうだけど、お忙しい身なんだなって知ったから」
「そう言って貰えるとありがたいけれど。それで、どうですか?何となくでも魔法使いとか錬金術士とか、わかって貰えたかしら」
「うーん、どうだろ。実際にクレアちゃんとかティアさんの魔法以降は見てないから分かんないかな。でも、良い人そう達で安心したよ〜、勢いのまま来ちゃって少し緊張してたんですよ?」
「お、おい。何も分かってなさそうな子が居るなと思ったけど、本当に何も分かってない子だったのか」
「何をそう驚いてるのよ」
「お前の強引さにも驚いてるけど、冬華さん?も体外だと思ってな。ほぼ拉致じゃねーか」
「また、人聞きの悪いことばっかり」
「冬華さん、詳しくは教えられてないだろう?」
「ええ、えっと、ティアさんの仲間の魔法使いってだけ」
「いいか、ここにいるメンツと、魔法界での序列はな」
頭を抱える空は、料理の邪魔をしないように冬華さんに説明をします。
冬華さんも手は停めずに相槌を打ちながら聞いていましたけど、途中、途中に顔を上げて包丁でクレアちゃんだったり、燈火さんだったり、ソフィーさんだったり、フォールスさんを指さししてました。
危ないのでやめて欲しいです。
挙句、私に包丁が向けられた時はミルクショコラが顕現して危うく冬華さんを消し炭にしかねませんでした。
それはもう、大きな悲鳴でしたね。
何事かと全員集まるくらいには。