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起源の魔法『?』
「ふぁ……皆さん、おはようございます」
宙に浮いてる状態でも、とりあえず挨拶を。
バラバラに帰ってくる挨拶に個性を感じながら、ふと、いつまで風魔法に囚われているのかと思い、えいやっと魔力を込めて拘束を解いてみる事に。
実態のない風は徐々に徐々に冷たくなっていき、部屋の温度を一気に下げてまいました。
「ちょ、ティアなにやって……!」
「いや、降りよう思いまして。そしたらこうなりました」
「雪山みたいになったぞ」
「なんの魔法?」
「クレア魔法を解きなさい。ティアそのまま。温度をあげるわ」
流石のクレアちゃんも、魔力の暴走なのかと焦った様で大人しく燈火さんの指示に従います。
薄い火の膜を纏った燈火さんが私を抱きかかえて降りしながら部屋の温度を元に戻します。
「昨日話しそびれたわね。ティア、多分だけど貴女に『起源の魔法』が宿ったわ」