752/987
それでも、楽しいと思えてますよ
さ、あとは行動あるのみですけれど、今日はもう休みましょう。
その前に冬華さんの事、生徒達について考えないと。
「お待たせしましたー」
広間にはもう誰もいません。
時計をみると時針が指す数字が1つ増えていました。
「風呂にでも行ったんじゃない?ここ無駄に広いし。色んな子が増えたみたいだけど、クレアが上手いことやったでしょ」
後ろから燈火さんがそう言って風呂へ向かうので、私もその後に続くことにします。
「それにしても、ティアはいつも何かに巻き込まれるわね。まあ、巻き込むことも多いけど」
「思い返すとそうですね。師匠と一緒に暮らしていた時はあれ程『暇』してたのに」
そうです。朝起きてご飯を食べて家事をしてご飯を食べて寝る。動物と何ら変わらない生活でした。
働かせてくれなかったのですから仕方ないと思いつつ、それを加味しても何も無い生活でした。
錬金術を初めて魔法と関わって、世界が広がったおかげかもしれませんね。
「燈火さん」
「なに?」
「それでも、楽しいと思えてますよ」
「ふふ、素敵ね」