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例外
「黒霧が詰まっている。それに帯びき出されたのはノア。あの少女だった」
「黒霧の少女はノアって子でいいのよね?なら、空の依頼は終わりでいいわよね」
「なんで終わらせようとしてるん?」
「……本体では無い」
「まーた、嫌な言い方するわね。またクローンかしら」
「ノアは世にも珍しい『自我のある起源の魔法』だ」
「う〜ん、それは道具に意思が宿るようなものでしょうか」
「……解明中」
「黒霧そのものか、黒霧の魔法の自我か。ややこしい事になってるのね」
「ノアが言うには、肉体と精神が別れたような状態だそうだ」
「それってさ」
「かなり危ないんじゃない?」
「……そうだぞ?」
「……正式に統括会が依頼を出して然るべきなのではないでしょうか」
「……例外があってね。起源の魔法は所有権は無いの。起源の魔法を持つ魔法使いが、選ぶのよ。だから自然発生した起源の魔法絡みには『偶然解決した』っていうのがいるのよ」
「なるほど。つまり、空は偶然黒霧のことを知って、偶然解決出来ちゃった。をやりたいんですね。私を使って」
「言い分がある!俺の話を聞いてないだろ!?」