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異変
「ただいま帰りました」
冬華さんを1度連れ帰り、皆さんに紹介しようと思ったのですが、誰もいません。
「ん?変ね」
「誰も私たちが帰ったことに気付いてないんですかね」
「そんなはずは……」
結界は起動しています。
最悪な事態は起きてないと思うのですけどね。
「とりあえず広間へ行きましょうか」
大きな平屋なのに人の気配がない。
クレアちゃんは不気味に感じて杖を顕現させています。
「あの、手紙がまりますよ」
マリーが部屋を出たり入ったりを繰り返して、アトリエエリアから手紙を持って出てきました。
「ありがとうございます。燈火さんからですね」
「なんて?」
「えっと、『地下で待つ、客人あり』と」
「大物でも来たのかしら。それにしても全員総出で?」
「へ、変ですよね」
「あの、不穏なこと起きちゃってませんか?」
「さあね、それが分かるのは地下よ」
「ううぅ、冷たい」