732/985
思ったよりも
みるみる内に蔦だったものは太くなっていき、その中で別の純白な木が育ち始まる。
地面から顔を出す根。10数本のそれらは優に成人男性並みに太くなっていた。
となれば、本体であるところの樹木はと言うと、硝子細工のような葉っぱを溢れんばかりに携えて10メートルほどまで一気に成長し、止まった。
「あわわわわ……」
開いた口が塞がらないマリーさんは手で口を覆って、驚きを超えて怯え始めてしまいましたね。
「思ったよりも小さい」
「何がよ!?」
私のポツリと言った独り言を耳ざとく、聞いていたようで胸ぐらを掴まれて揺らされます。
まだ、まだ杖に溜まった魔力を放出してないのにににに……。