秘密
「前は危なかったんですよー」
「ここは危険な場所。ここで死んだ魔法使いも少なくはないわ。……言ってもいいのかしら」
「言わなくていいわ、危険な香りがする」
「クレアって案外ビビりだよな」
「お黙り!慎重なだけよ、私は特別強くも、加護がある訳でもないの。それでもこの世界に居るのだから無茶は出来ないのよ。貴方とは違うのよ」
「ああ、その、すまんかった。忘れてくれ」
「クレアちゃんを困らせましたか?」
「うぉい!やめろ、やめろ!杖をこっちに向けるな!悪かったって!悪気はない!」
「ティア、いいのよ」
「そう」
「おっかねェリーダーだよ。クレアに甘いしよ」
「で、私の話は聞く?」
「聞きましょう。移動しながら。まず、必要な素材を言っておきます。ちょっと大きめの魔石と、魔力の籠った金属。出来れば貴金属が目的です」
「まあ、普通に買えないわよね」
「てことは、魔物狩りか?」
「さあ?私知識はほとんど無いのよ?皆に任せるわ」
「なら、私がティアの知識となろう」
「貴女の右に出る人なんて世界中見てもそうはいないものね」
「その2つが一気に手に入るのはアメケテーゼね」
「それは?」
「ランク花の魔物ね。丁度いいわ、秘匿されている世界の在り方と一緒に説明しましょう」
「何でそんなこと知ってるのよ……」
「私が情報屋だからですよ」
「いつか情報屋さんの事を直接知りたいものね」
「ふふふ、いつか。必ず」
「なあ、それって俺達が知っていいのか?」
「流れ的に察しなさいよ。良くないわよ」
「えええ!そんな話聞かされるの!?」
「そういう話の流れだったじゃない。馬鹿ね」