ああ、もうっ!なんでこうなるのよ!
「私にも分かりません!どうしよう!」
「ああ、もう!」
ぷりぷりと怒ったクレアちゃんがトトトッと駆けてきて私の杖を私の手ごと握ります。
「魔力量が多い!勝手にやらない!初めは誰だって教えて貰いながらやるの!危ないから!」
「だって、私指導役蒸発してしまいましたし……」
「代わりなんていくらでもいるでしょうに!」
両手が塞がってるクレアちゃんはコツンと頭突きをしてきます。「あいた」とよろめきますが、クレアちゃんは倒れることを許してはくれません。
「うーん、うん!マリー!足止め!」
「ええ!?ええっと、ええっと!」
「マリーさん、道具、道具!」
急な指示にテンパってしまってまともに動けないマリーさんには魔法を使ってもらうよりも道具を使ってもらった方がいいと思いつつも、何かあるものだろうかと一抹の不安を抱きます。
作らせたの中和剤だけなんですよね。どうしよう。
「……し、失礼します!」
あろうことかマリーさんは私の鞄に手を突っ込んでランダムに道具を使う気です。
それはそれで不味い。
「えっと、マリーさん?」
「大丈夫です!任せてください!」
違うんですよ、マリーさん。威力が狂ってるのがあってですね、最大だと辺り一帯焼け野原なのですよ。
そう言おうとする間もなく、「えいやっ」と可愛らしい掛け声とともに何かを投げました。
「まって、何投げたの!?」
マリーの行動にずっと唖然としてフリーズしてしまっていたクレアちゃんが再起して叫びました。
「……運命に任せましょう」
「ああ、もうっ!なんでこうなるのよ!」