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魔法使いをみせたげよう!
クレアは迷っていた。
ティアマトを召喚して一瞬で消し炭にするべきか。
様子見を兼ねて初歩の魔法から段々と威力を上げていくか。
そう悩んでいるうちにもドラゴンモドキは迫ってきている。
「あ、危ないっ!」
クレアは驚いた。
根本にある魔法使い至上主義は根強く、払拭しきれている訳では無い。
ティアと冒険を重ねていき、自分でも丸くなったなぁと感じる。
それでも、非魔法使いはか弱く、劣等種である。
そう思っていた。
言動にも出ていたと思う。
でも気を失いそうなほど怖く見える魔物に、私の心配を重ねた。
「うん、決めた。友として魔法使いをみせたげよう!」