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『鏡写しのリバイバル』
「ここは見ての通りお店なんですけれど、こんなご時世になってしまって在庫が……」
「なるほど」
「錬金術関係あるかしら?」
「具体的には?」
「珈琲豆が底をつきそうで……」
「なら、複製しましょうか」
「複製?」
「これを使います!」
机の上に光を携えクルクルと回りながら現れた物は、渾身の逸品です。
『鏡写しのリバイバル』
大きなフラスコが右側にあり、左には樽。
中央の接続機と、エネルギー補充機に魔石を入れて、複製したいものをフラスコに。
複製したい物を、複製したい物の属性と同じジェムと呼ばれる魔力の塊と一緒に入れてあげれば起動する。
「ま、また何も無いところから……」
「ああ、これも非常識だったわね。忘れてた」
「さて、ここで問題です」
「は?」
「ジェムがありません」
「本当に問題だった……」