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錬金術師ティアのつくる話  作者: 新規四季
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緑色の魔法

空の『時』の魔法は起源の魔法の中でも別格の性能だ。

黒霧には触れてはならない。それをフル無視し殴り飛ばした咲だったが、その腕は魔力を一瞬で吸われ、黒く変色し枯れ枝のようにボロボロになり朽ちるだけになってしまった腕を何も無かったように戻した。


時刻が狂った時計の針を戻す様に簡単に。

本人は額に脂汗を滲ませて息を整えている。


無くなったものを元に戻すのは負担が大きいのだろう。


「さて、どうすっかねー私は今回限りだな、緑の魔法も使っちゃったし」


統括会に継承され続ける最高峰の魔法の1つ。

生命を助長させる事に特化した『緑』。


幾重の植物の生命を意のままに操りそれぞれに性能を与える魔法。

植物を操る魔法はあれど、黒霧と同等の性能を持たせるとか、花粉による爆発なんて扱えるはずは無い。


有り得ないを有り得させること事色の魔法である所以。理を捻じ曲げる冒涜は世界からの干渉を受けるが、統括会はそれを回避する。


原理は不明だが、故に魔法を統括できる組織と言える。

本来は色の座を辞退、又は退く場合に宝具と共に返還しなければならないが、咲はそうせず神へと至ってしまった。


統括会の宝具を返さなければ全勢力をもって殺しにかかるものだが、色の魔法使いは伊達ではなく逃げ切ってしまったのだ。


統括会は『緑』を欠番としている理由だ。


デメリットはまだあり、まさに今の咲だ。

無制限に使えていた色の魔法は統括会の恩恵を受けれなくなり、本人の度量次第ではあるが良くて日に1回程度の使用頻度にまで下がる。



「……黒霧は龍になったのは今回が初めてだ。そこになにか引っかかりを覚えるな」


もうしばらく咲の力を頼れなくなった空が苦しい顔で言う。ティアに泣きついてみたはいいものの全く乗り気では無いし、この白銀とは1度やり合ってしまった。


想定の全てが上手くいってない。

加え、黒霧の新形態と来た。もうお手上げに近い。


色んな感情がごちゃ混ぜになったため息を吐き天を仰いだ。皮肉なくらいに空が綺麗に見える。


偶然流れた星は今後を暗示るものだろうか。

それは良い方向だろうか。


「悪い方向だろうな……」


ため息は尽きない。

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