702/987
空、咲、白銀
「……逃げた、のか……?私から?」
「そうだとしたら相当厄介な相手だね、そりゃ、表向きの依頼にできないよ」
「白銀……」
「いきなり居なくならないでください。俺はティアに命握られてるんですから」
咲は正拳突きを確かに少女に向けた。拳が触れる瞬間、少女は薄ら笑いを浮かべ体を貫通させた。そう、触れたのである。
触れた拳は壊死したように紫とも黒とも言えない色に変色し、咲と言えど追撃は出来ず、後退。その隙を突いてそのまま消えた。
幸い、空が何かあった時に備えて巻き戻しの魔法を展開していた為、食らう前に巻き戻して、なんは逃れたが。